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2005.05.28

あずきとぎ

むかしあるところに、化け物がたくさん出るとの噂のある古寺があった。その古寺に出ると言う化け物について、村の物知りのじいさまと若者集が怪談をする中、一人だけ話しにのれない若者がいた。その若者の名は兵六。

兵六は頭の回転が鈍いのか、怖い話をされてもこわさを感じないらしい。ものしりじいさまのとっておきの怖い話「あずきとぎ」をしても平然としたまま。若者集らは腹を立て、「それほど度胸があるのなら、古寺まで行って肝試しをしてこい」と兵六をたきつける。

一緒についてきた若者集らも怖さで逃げ帰り、独りとなった兵六は「みんなのように怖い思いがしてみたい」と思いながら古寺に到着。じいさまが「一番怖い」と語っていたあずきとぎを名指しで呼び、自分を怖がらせろと無茶な注文をする。

すると突然稲妻光と共に、じいさまが言っていたあずきとぎの声が。「あずきとぎましょか、人とって食いましょか」。ところが兵六、同じことしか繰り返さないあずきとぎに飽きてしまい、しまいには「他にはないのか」とケチをつける始末。

だが同じ科白を繰り返すあずきとぎ。「そんなもの怖くない」と威張る兵六に、あずきとぎも怒り心頭、「これでもくれえ」とばかり、山ほどのあずきのぼた餅を兵六に食らわした。

ところが肝が据わっているのかそれともやはり頭の回転が鈍いのか、兵六はそのぼた餅を美味しそうに食べてしまった。ああ美味しい。

兵六はそれから毎日のように古寺へ通っては、あずきとぎが食らわすぼた餅を食べ、お腹を満腹にさせたそうな。

しばらく経ったある日。話を聞いた若者集と兵六がいつものように古寺に行き、いつものようにあずきとぎをからかうが、ぼた餅は落ちてこない。「これじゃウソツキ呼ばわりされちまう。客をもてなすつもりでいつものようにぼた餅おくれ」と困り果てた兵六が懇願すると、屋根からはなんと茄子の漬物が落ちてきた。

兵六もこれにはびっくり。ぼた餅はどうした、と怒鳴る彼にあずきとぎは「たまにはナスの漬物でも食べてお茶でも飲んでいけ」と泣き声で答えた。兵六のずうずうしさに参ったようだ。

そし最後にあずきとぎはこういったそうな。「茄子が出たからこれぞ本当の『もてなす』じゃ」。

おしまい。

【補助解説】
中部地方の昔話。最後に洒落でぎゃふんと言わせるものの、あずきとぎにしてみれば兵六は非常に恐ろしい対象だったのかもしれない。なにしろお化けにとって一番怖いのは、まさに自分たちを見て「怖くない」というリアクションなのだから。

【何を学ぶか】
兵六のようなライフスタイルを実践せよ、というわけではないが、普通の人と違った視点やロジックで物事を眺めると、思わぬ拾い物をすることが。つまり「時には一歩引いて物事を考えることで真実を見出すこともある」ということだろう。

また、一見間が抜けているように見える兵六の行動も、よく考えてみればきわめて冷静沈着なようにも見える。「先入観にとらわれず、自分が体験している状況をよく把握して判断し、そこから存在するものだけをもとに行動すれば、利を得られることも多い」、端的にまとめると「先入観を捨て冷静な視点で、目の前の材料から判断せよ」ということだ。兵六の場合も、「お化けは怖い」という先入観を持たず、同じ科白ばかり繰り返す妙な奴と判断したからこそあずきとぎを野次った。あずきとぎが投げつけたぼた餅も、「お化けが作ったから怖いものだ」というありがちな考えを持たず、目の前にある旨そうなぼた餅という事実のみを見据え、平らげるという行動に出て、「腹いっぱいになる」という利を得られた。

名前や前歴などの先入観だけでタイミングを推し量ったり銘柄のチョイスを行うと、後々になって悔やむことはないだろうか。目の前にある事実こそが、もっとも重要な判断材料なのである。

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