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日本昔話に学ぶ

2005.08.06

てんぐのかくれみの

むかしあるところに、彦八というズル賢い男の子が住んでいた。そのそばにある山の奥にはてんぐが住んでいて、「かくれみの」という面白いものをもっている噂があった。このみのを身につけると、姿を消すことができるそうな。

彦八はどうにかそのかくれみのを手に入れたいと考え、一計を企てた。ある日彦八は一本の竹筒を持ち、山に登っていく。そして山の頂上にたどり着くと竹筒を取り出してのぞくふりをしながら「すげぇー、よく見えるぞ」と大声で騒ぎ立てた。

するとその声を聞きつけ、どこからともなくてんぐが現れた。彦八は気がつかないふりをしながら「大阪の町まで見えるぞ、ああ、すごい」。てんぐはたまらなくなり「おい小僧、お前の持っている遠眼鏡のような竹筒、ちょっと見せてくれ」と頼み込む。

ところが彦八は知らん顔。「ダメダメ。これは千里通しというおいらの大事な宝物なんだから。……おお、京の都じゃ皆で踊っているぞ。ふむふむ」と見えもしない京の都のようすを一人ごちる。

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2005.07.30

花咲かじいさん

むかしあるところに正直じいさんとばあさんが住んでいた。ある日二人が畑から戻ってみると、うすの中に子犬が一匹、すやすやと眠っていたそうな。子供のいない二人は大喜び。ポチという名をつけて大切に育てることにした。

ばあさんがほうきで掃き掃除をすると、ポチも尻尾でその真似をする。じいさんが枯れ木を集めると、ポチも一緒になって小さな背中に少しだけ枯れ木をのせて一緒に運ぼうとする。ポチなりの一生懸命さが二人にはとても嬉しく、たいそう可愛がった。

一年も経ち大きくなったポチ。ある日、ポチの世話をしていたばあさんが腰を抜かし、その驚きの声でかけつけたじいさん。なんとポチが人間の言葉を発したのだ。ポチいわく、「背中に鍬をつけてこちらについてきて」。じいさまは驚きながら、ポチの言うとおりにした。

ポチはしばらく歩くと地面の匂いをかぎ、じいさまに言った。「ここを掘ってくださいな」。言われるままに、ポチにつけた鍬を使って掘ってみると、そこからは大判小判がざっくざっくと出てきた。「うひゃー、こいつはたまげた」。

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2005.07.23

猿地蔵

むかしある山に、乱暴ものの猿の集団が住んでいた。彼らは収穫の秋になると里に降りてきては田や畑を荒らしまわり、出来た収穫物を奪っていった。

その里の入り口にはじいさまとばあさまの家があり、当然のことながらその家の田畑もいつものように狙われていた。じいさまが猿たちの狼藉を見つけて怒鳴ると、さっと猿たちは逃げてしまう。

猿たちのいたずらに困り果てたじいさまとばあさまは、猿たちがお地蔵様の前ではおとなしいという話を思い出した。「じいさまや、お地蔵さんに化けてはどう?」

バチが当るかもと心配するじいさまに、ばあさまは「畑の作物を守るため」と説き伏せる。じいさまは体中に粉をまぶして赤いよだれかけをつけ、お地蔵様になりすます。

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2005.07.16

そこつ相兵衛

むかしところに相兵衛という大変なそこつもの(そそっかしい、うっかり者。たとえるのなら「うっかり八兵衛」)がいた。例えば朝起きると自分の女房の足を見て「顔に指が生えた」と大騒ぎし、味噌汁で顔を洗い、着物を着るときに片方の袖に両手を突っ込み「手が一本足りない」と驚く始末。

そそっかしさは外でも変わらない。畑で仕事をしようとすると鍬と自分の足を間違えてつかんですっころぶ。東の山から登る朝日を夕日と勘違いして「もう夕方か」と勘違いして帰り支度。牛に乗って帰ろうとするも、牛のお尻のほうにまたがってしまい「この牛、頭無いぞ」とびっくりし、尻尾をつかみ「こんな細い首になったか。毛もちょぼちょぼだし」ととぼける。

村にどうにか帰るも、隣の家と自分の家を間違え、「えらくべっぴんさんになったもんだな」と喜び、後で女房に怒られる。

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2005.07.09

わらしべ長者

むかしある村に伍助という貧しい若者がいた。彼は何をやってもうまくいかず、いくら働いても暮らしは楽にならなかった。そこで伍助、村のお堂にある観音様に必死の願掛けをした。

三日三晩続いた願掛けの後、ついに観音様からお告げがあった。曰く「ここを出るとお前はすぐに転ぶ。その時に手につかんだものを大切に持ち、西に向かって歩いて行け。それがお前の幸運のはじまりだ」とのこと。

お堂を出た伍助、案の定転んだが手にしたものは一本のワラ。「ただのワラじゃないか」と思いつつ、観音様のお告げだからと大切にワラをつかみ、西に向かって歩き続けた。

しばらくすると伍助の周りにアブが飛び回り、いつまで経っても離れない。ぱっと手でアブをつかみ、持っていたワラにくくりつけた。「ワラでも何かの役には立つものだ」

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2005.07.02

こぶとりじいさん

むかしある村に、ほっぺたにこぶのあるのんきなおじいさんが住んでいた。こぶはたいそう邪魔だったが、おじいさんはちっとも気にしていなかった。だがこの村にもう一人いる、こぶつきのおじいさんは心のせまい人で、こぶのことを言われると顔を真っ赤にして怒り出す始末。

ある日、のんきなこぶつきおじいさんが森で木を切っていると雨が降ってきた。木のむくろで雨宿りをしてついうとうと眠ってしまったおじいさんが目を覚ますと、目の前には異様な光景と音が。

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2005.06.25

ねずみの嫁入り

むかしあるところに、仲のよいねずみの若者と娘がいた。二匹は「いつか結婚しよう」と誓い合っていた。だが庄屋だった娘の父は、「自分の娘のむこには一番強いものでなければならない。だからお日さまに娘を嫁がせる」と宣言。愛し合う二匹は大ショック。

引き裂かれてしまうという現実に涙する二匹の様子をこっそり見ていた年寄りねずみ。これはどうにかしなければ、と庄屋の家に足をおもむけた。

「庄屋どん、お日さまが一番強いというのは本当かね」年寄りねずみの謎かけに驚く庄屋。「もっと強いものがいるのか!?」。そこで年寄りねずみは庄屋をさとす。

「お日さまは雲に覆われてしまったらおしまい。その雲も風が吹けばながされてしまう。だがその風も壁には歯が立たない」年寄りねずみの言葉にうなづき、「では壁様とうちの娘を……」とする庄屋。

「その壁に穴をあけるのはどこの誰だね?」年寄りねずみが続けた言葉に、はっとする庄屋。「そうか、ねずみが一番強いのか」

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2005.06.18

伊勢えびの腰はなぜ曲がったのか

むかしある村に、とても大きなかえるがいた。そのかえるは「自分は世の中で一番大きな生き物だ」と信じ込み、他のかえるにも吹聴していた。そのかえる、ある日突然暇つぶしにとお伊勢まいりにでかけることになる。

旅の途中そのかえるは、まるで舗装されたようなきれいな道に出会う。一日歩き、疲れを取るために休み、道端で一晩を過ごす。

ところが朝起きてみてびっくり。一日かけて歩いたあの道は、大蛇の背中だったのだ。「背中がむずむずすると思ってたがお前だったのか」と大蛇に叱責され、そして「今まで一番自分が大きい」と思っていたかえるよりはるかに大きな生き物、大蛇を目の前に、かえるは気絶してしまう。

その大蛇もお伊勢まいりに赴くことに。しばらく進み続け、暑さに耐えかねた大蛇は日影でひととき休憩。だがその日影が急に動き出す。ふと空を見上げると、そこには大空を覆いつくすかのように翼を広げた大わしが一休み中。その大きさに、無い腰を抜かす大蛇。

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2005.06.04

船ゆうれい(ふなゆうれい)

むかしのある海辺での話。毎年漁へ出てたくさんの人が死ぬその村では、お盆になると死者の霊を呼び戻す「むかえ火」を焚く慣わしがあった。また、彼ら霊たちが船ゆうれいとなって現れるため、お盆には漁をしてはいけないしきたりもあった。

しかしこの村の、気の荒い熊造という漁師。しきたりを守らずお盆に船を出そうとする。曰く「誰も他には船を出さないので、自分らの独占場だ」。村人たちが心配する中、船を出す熊造たち。

熊造の目論見どおり、沖に出た彼らには大量の魚が待っていた。だがしばらくすると空に暗雲が立ちこめ生暖かい風が。そして熊造らの目に、見知らぬ大きな船が映る。だがそれでも彼らは漁を止めなかった。

先の船が気になる熊造。ちょっと振り向くと、その船はもうすぐそばまで近づいていた。その船の姿は、まるで幽霊のよう。そう、船のゆうれいだったのだ。腰を抜かす熊造と漁師たち。

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2005.05.28

あずきとぎ

むかしあるところに、化け物がたくさん出るとの噂のある古寺があった。その古寺に出ると言う化け物について、村の物知りのじいさまと若者集が怪談をする中、一人だけ話しにのれない若者がいた。その若者の名は兵六。

兵六は頭の回転が鈍いのか、怖い話をされてもこわさを感じないらしい。ものしりじいさまのとっておきの怖い話「あずきとぎ」をしても平然としたまま。若者集らは腹を立て、「それほど度胸があるのなら、古寺まで行って肝試しをしてこい」と兵六をたきつける。

一緒についてきた若者集らも怖さで逃げ帰り、独りとなった兵六は「みんなのように怖い思いがしてみたい」と思いながら古寺に到着。じいさまが「一番怖い」と語っていたあずきとぎを名指しで呼び、自分を怖がらせろと無茶な注文をする。

すると突然稲妻光と共に、じいさまが言っていたあずきとぎの声が。「あずきとぎましょか、人とって食いましょか」。ところが兵六、同じことしか繰り返さないあずきとぎに飽きてしまい、しまいには「他にはないのか」とケチをつける始末。

だが同じ科白を繰り返すあずきとぎ。「そんなもの怖くない」と威張る兵六に、あずきとぎも怒り心頭、「これでもくれえ」とばかり、山ほどのあずきのぼた餅を兵六に食らわした。

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